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14 May 2024            [PR]  |   |
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満を持して第3回がやってまいりました。本日のテーマは「スレッドワックス」です。

スレッドワックスとは、糸が毛羽立っているなどの理由で布通りが悪いと感じたり安価な糸でコシが無く扱いにくいと感じる場合に使用するものです。

私は安価な刺繍糸をたくさん持っていることからもスレッドワックスを活用していきたかったのですが、困ったことにネット上には手芸用のスレッドワックスに関する情報があまりありませんでした。「スレッドワックス 使い方」とかで調べると手芸よりも釣りの話になってしまうことが多いくらいです。

で、とりあえずすぐに手に入るものということで、手芸店でクロバーのスレッドワックスを買ってみたのですが、なんだかあまり納得できない…。調べても良く分からないし言及してる人もあんまりいない。

ネット上を必死で探し回り、何とか「日本ではパラフィン製くらいしか使われていなくて、海外だとビーワックス(蜜蝋)を使ったりもする」という情報を拾うことができました。正直、だからなんだ…といった内容なんですが最早これは調べて分かることでもないので実際に自分でやってみるしかない!そう思い立ちました。

パラフィンと蜜蝋が例で出てきましたがせっかくやるなら色々なパターンを使って実験して、それをネットに載せておけば同じように困っている人の役に立てるかもしれない…!


そんなわけで今回は数か月かけて調べてクラフトして、実物を実際に使って感じたことなどをお伝えしていこうと思います。

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先んじて商品名が出ましたが、皆さんが一番よく目にするスレッドワックスはこちらの、クロバー製の商品だと思います。



安心安全安定の日本製で品質に関しては全く疑っていません。なので、正直クロバーさんのスレッドワックスを使わせて頂いて、内心(???)となった私は個人的にパラフィン製のスレッドワックスが好みじゃないんだろうなという考えに至りました。

感想としては「ないよりは良い、と思う」という程度。せっかく使うなら「これだ!!」というものを使いたいです。

欲を言うなら見た目はもっと可愛いかオシャレかカッコイイか、とにかく何等かの好みを追求するビジュアルにしたい…。

ということなら、もう答えはひとつ…ですよね。作るしかありません!それでは早速取り掛かっていきましょう。


スレッドワックスの為に用意した素材一覧

・木工ワックス
・蜜蝋
・シアバター

今回用意したのはこちらの3種類。今後扱ってみたい素材も見つけたのですが、そちらについてはまた後程紹介いたしますね。


木工ワックス


こちらは「Junno Design」という福岡にあるメーカーの商品です。非常に海外チックなデザインですが何と日本製。社長は南アフリカ出身の外国人という何とも情報量の多い商品です。が、とにかくこちらの商品は品質に拘っているのがヒシヒシと伝わってきて魅力的に感じたので購入致しました。

一般的な使用方法は、傷んだフローリングや木工の食器、テーブルなどをメンテナンスするための道具です。公式サイトの説明によると皮のメンテナンスにも使用することができるようです。

じゃぁ…糸もいけるのでは…?

木や皮がカサカサになって傷んでいるものを修復するものであるなら、毛羽立って扱いにくい糸も何となく整えてくれそうな気がします。

今回は、木工ワックス自体が糸に与える影響が全く未知数だったため、特に加工を施さずこのまま糸に塗布した場合どうなるのか試しました。

こちらの商品は
180mlのもので、Amazonで2000円ほどします。スレッドワックスとしては使えなくても食器などのお手入れに使えばいいか、と思い切って購入しました。


蜜蝋

海外ではこちらをスレッドワックスに使うこともあるようなのですが、日本では手芸用に使う蜜蝋というものを見つけることができませんでした。蜜蝋自体は販売はされているのですが、どうやら釣り用。

釣り用のものを使っても問題ないのかもしれませんが、黄色いので色移りしないか不安だったため悩んだ結果、出来合いのものを購入することはあきらめました。

写真にあるのは「精製蜜蝋」です。未精製のものと違い白っぽく、不純物を取り除いたものなので、糸に与える影響も抑えられるかなと判断しました。

こちらもAmazonで購入しました。50gで500円ほどします。


シアバター

以前、ハンドクリームや練り香水をクラフトしていた残りが少しだけあったので今回の検証で使い切ってしまいました。お見せできる現物がなくて申し訳ないのですが、蜜蝋と似た感じの袋に入っていて、名前の通りバター状の素材です。

硬さのイメージはマーガリンとバター間くらいでしょうか。

融点が35度と体温程度なので、手で触るとじわっと解けてくる特徴があります。このことからスレッドワックスとしては使いにくい可能性が高そうだったのですが、物は試しということで。

こちらもAmazonで購入しました。お値段は精製蜜蝋とほぼ同じで50gで500円程度のものです。


いざクラフト!!

ともかくシアバターがこのままでは使いにくそうなことは最初から予想できたので、混ぜるという選択も加え、私の前には以下の5種類に及ぶスレッドワックスが並ぶことになりました。



いかがでしょうか!?思ったよりも見た目には変化が出ませんでした。これはとてもいいことです。

つい「何も変化がないじゃん、なーんだ」と、なりがちですが、スレッドワックスは見た目を良くするものではなく、取り扱いをしやすくするためのものだからです。もちろん、その上で更に見た目も良くなるのであればそれに越したことはありませんが。


その観点で見ると、1番の木工ワックスは若干糸が細くなってしまっているように見受けられます。これは、やはり一番ワックスが柔らかくて糸がべたっとしたことが原因です。

4番のシアバターもちょっとべたついて見えるような気もします。気のせいかもしれません(笑

それ以外の見栄えは、正直「まぁ、どれを使っても見た目は一緒かな」という感じです。つまりどういうことか…?

この中で一番好きな使い心地のものを使っていいということです!


それでは、各スレッドワックスの講評をしていこうと思います。


1番 木工ワックス


本気でいけると思っていたわけではなく、どのくらいのものか触ってみたかったのと糸に悪影響が出ないかどうかの確認がしたかったというのが大きいです。思っていたよりはしっかり固めだったのと、実際に糸に使ってみてから3か月経過していますが特に糸に大きな変化はないようなので、使っても大丈夫かな?という安心を得ることができました。

この木工ワックスは蜜蝋と植物オイルを混ぜて作られているようなので、別の小さい器に木工ワックスを小分けにして、手持ちの蜜蝋を少し足して固め直せば、もしかしたらとても良質なスレッドワックスになるかもしれない、という今後の課題も手に入れました。


2番 蜜蝋100%
 

海外ではミツロウが使われることもあると聞いていたので、今回一番期待と興味をもって用意したのがこちらの蜜蝋100%のスレッドワックスです。

今回作ったスレッドワックスの中では一番明確に効果が実感できました!しっかりと刺繍糸の表面がコーティングされ、へにゃっとしていた刺繍糸がピンと元気になり毛羽立ちも抑えられていました。融点も60度程度の高いので触ったくらいでは溶けてくることがないのも利点です。


問題は、やや「ぺとっ」としていること。蝋引きする際に摩擦が強くなりがちで、少し使っただけで画像の左側のように刺繍糸の繊維がスレッドワックスにへばりついてしまいます。いずれにしても擦るので、どのスレッドワックスにも多少繊維がついてしまうのですが、蜜蝋製だとそれが顕著に現れました。

たくさん使っていたパラフィン製のスレッドワックスと比べるとどれだけ繊維が持っていかれやすいのかがよく分かります。


また、湯せん用のボウルが致命的なまでに汚くなるので蜜蝋を扱う場合は100均で専用のボウルを用意した方がいいと思います。蜜蝋は融点が高く、少し冷えるとあっという間に固まってしまうので綺麗に落とすのはかなり苦労します。毎回苦労するより専用のボウルと割り切った方がいいです。


3番 シア・蜜蝋50%ずつ


シアバター単品ではスレッドワックスとしては厳しそう…でもそろそろ、ちょろっと残ってるシアバターは使い切ってしまいたい。そんな思いから、これで上手くいけば最高!と思って試した配合バージョンです。

正直最高でした。

先述した蜜蝋を使った場合のスレッドワックスの問題点である「ぺとっ」が、シアバターによって軽減されます。手触りが限りなくパラフィン製のさらっとした感じに近くなりました。個人的に、今後も使い続けるのはこれにしたい!と思ったくらいです。

大きな問題点としてはシアバターを買わなければならないこと(笑)

今回は家に余らせていて処分という名目もあったから良かったのですが、今後新しく作る場合は新しく、そんなに頻繁に使わない余りがちなシアバターをまた買わなければなりません。それはそれで新たな課題が生まれてしまったような気がしないでもありません。手元に今回用意している「シア・蜜蝋50%」バージョンのスレッドワックスがあるうちに、これよりもお気に入りの配合を見つけられるように更なる研究を進めなければなりません。


4番 シアバター100%


手で触った時点で溶け始めることから指先がオイリーになってしまうのが難点でした。意外とべたつかなくて、糸にはさらっと馴染む感じがあったのですが同時に指にも馴染んでしまうので、作業中に指まで滑って針を落としてしまいかねません。

シアバターは補助として使うのが一番優秀だということが分かりました。


5番 パラフィン


お馴染みクロバーのスレッドワックスです。最初に代表として紹介させて頂いたのですが改めて。

利点は最も簡単に大手メーカーの商品として安定して入手が可能なこと。また、触った時に嫌なべたつきがなくさらさらしているので、蜜蝋のべたつきがどうしても苦手な場合はこっちの方がよさそうです。

自作を考える場合も便利です。ネットでパラフィンを購入する場合も大抵蜜蝋などよりは安価に入手することができます。融点が低いものから高いものまであるので要確認です。47度くらいのものもあるので、うっかりしてるとシアバターのように溶けやす過ぎて使いにくい可能性があります。

また、少しだけ試したい場合はスーパーで白い蝋燭(お線香などと一緒に置いてある)を買ってくるのもいいと思います。小さく折って湯せんして固め直すだけで、手軽にお気に入りの形にすることができます。

問題点は、使った時に効果が実感しにくいところ。ここは相性の問題がありそうなので個人的には、という部分は強調しておきますね。素材や使い方によっては十分効果が実感できるものもあるかもしれません。


さて、これで今回ご用意させて頂いたスレッドワックスはすべて紹介し終えました。続きましては、今私の中にある課題についてです。


今後、取り扱ってみたい素材

2月にこの研究をしようと決めたとき、私はまだこの素材を知りませんでした。これから暑くなってくるという今の時期から、徐々に雑貨店などで見かけるようになるのではないでしょうか。





はい!こちらのキャンドルの素材で使われている「ジェルワックス」!!控えめに言ってもめっちゃくちゃ魅力的じゃありませんか…??

実は、私がスレッドワックスについて調べたときに、もう入手が困難な商品がありました。

海外製でスレッドヘブンという名称だったのですが生産終了品です。ですが、いくつかのブログでプロの方が「これが一番いい!」と推していたのがこの商品でした。

調べてみると、このスレッドヘブン、どういう素材で出来ているのかよくわからないのですが、ぐにっと弾力性のあるワックスのようでした。さらっとしていて表面はぐにぐに…そんなワックスどうやって…??

その時は何か特殊な素材にワックスオイルのようなものを染みこませているのかと思ったのですが、もしかしたらこのジェルワックスが近いかもしれません!

何せ実物のスレッドヘブンを見たことも使ったこともないので再現なんてできるはずがないのですが試してみる価値はあると思っています。


また、序盤の方で紹介させて頂いた、木工ワックスに蜜蝋を足して固め直すものも作ってみる予定です。家がスレッドワックスだらけになってしまいそうな勢いですが、新たな研究結果が出たらまた紹介させて下さい。


おすすめのシリコンモールド

ところで、スレッドワックスを作るにあたって使用したシリコンモールドについてまだご紹介していませんでしたね。型のことです。これに湯せんした蝋などを流し込んで固めることでスレッドワックスを作っていました。



レジンで使われることが多いので、レジンを売っている100均にはモールドも売られていることがあります。気軽に少し試してみたいという場合は、こういったところで少し買ってみるのもいいでしょう。

個人的にオススメなのは、シリコンモールドを専門に作っている「エバーガーデン」というショップです!お値段は張るのですが、つい魅了されてしまうようなデザインの型がたくさん売られています。



これは、その「エバーガーデン」でうっかり魅了されて購入したフクロウのシリコンモールドで作った蜜蝋の……置物です(笑)

スレッドワックスとして使おうと思っていたのですが可愛すぎて無理でした!よかったら公式サイトだけでも見に行ってみてください。

エバーガーデン:https://www.rakuten.ne.jp/gold/evergarden/sp/



それでは、今回のスレッドワックス研究に関するご報告は以上となります!長文記事を最後まで読んで頂きありがとうございました。

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